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2010年式 JB23W-8型 トランスファーシフトトラブル・点検メンテナンス

トランスファー・インジケーターランプ点灯  
 約93440km総走行距離。JB23W-8型トランスファー・インジケーターランプ点灯するため点検となりました。コンビネーション・メーター内のトランスファー・インジケータ・ランプは4WDマークのランプが点滅することで異常をドライバーに通知する機能があります。
 作業前点検はトランスファー・ダイアグノーシス点検を行います。2WD時でも4WDマークランプが点滅することがあり、ダイアグ診断を見るとコードが2つ記憶されていました。どちらもT/F-4WDスイッチの異常もしくは、電動アクチュエーター内部スイッチの異常、もしくは4WDシフトコントローラの異常が考えられる。そのようなコードです。
 スイッチの導通や断線、接触不良を点検。電動アクチューエタ単体導通点検と動作点検を行い、電動アクチュエータ・イニシャル位置再調整を点検。電気制御系に大きな異常は見られません。4WDシフトコントローラECU正常です。分解整備を行う前に、インプットシャフトのオイル漏れがありました。インプット、フロント&リヤフランジの軸方向のガタも手で感じ取り点検。
 分解前点検では大きな異常が見受けられないため、内部分解点検となりました。
オイルをすべて洗浄して落とし、油分を除去。乾燥を行うと、これまで見たことがない汚れを確認。異常な汚れと判断。この堆積物は強く表面に付着していました。通常の汚れの堆積は、ベアリングやギヤの当たりの際に発生する金属微粒子がオイルに溶け込み攪拌され、ケースやベアリング、ギヤやシャフトの表面に付着します。弱く付着するためブラッシングで洗浄可能範囲なのです。

 内部メカ部パーツすべての堆積物を除去。ギヤやハブ・ドッキング部分は細かいため、サンドブラストの当て方で上手く除去しました。

 2WD-4WD/Hiシフト・ハブのロッキングボール・スプリングが曲がり破損していました。
ハブキーに嵌まり込む構造です。ハブ・クラッチスリーブが摺動するときにコイルスプリングに横方向の力が働いてしまうためだと考えています。

 ハブ・ユニットのキー&ロッキングボールとスプリングすべて交換。キーの動きをスムーズにします。4WD-Hiシンクロナイザリングも交換。ハブクラッチスリーブのスムーズな摺動にさせます。4WDスイッチも固着が考えられるため交換となります。
トランスファーダイアグコードを消去。試走を行い、4WDの動作を確認。定期的なトランスファーオイル適量交換が重要です。