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JB23W-8型 水温上昇傾向のため点検

  2010年式 JB23W-8型 K6Aエンジン水温上昇のため点検  ラジエータ電動ファンは正常に駆動しますが、水温がやや高い値。サーモスタットを点検。JB23W-K6Aエンジンは入口制御です。冷間時はサーモスタットが閉じています。暖機後に温められた冷却水はサーモスタットが開くことでラジエータに冷却水が通過することで放熱され温度が下がります。入口制御は暖機を促す構造です。 取り外したサーモスタットはワックスペレット膨張で押し出されるプッシュロッドがズレ始めていました。スムーズにバルブが開閉していない可能性が高いです。スムーズに開閉しないため、ラジエータ内部の水の流れに影響が出ると推測しています。 スズキ純正新品サーモスタットに交換。安価な部品です。内臓されるワックスペレットの流動性が悪くなるのか、それらをパッキンするシールが劣化するなど根本的な要因特定が難しい部品です。組み付け後、KEMITEC PG55  HQ 別注色で冷却剤をセッティング。  定期的な交換が大切です。

JB23W-6型 水温異常・リザーバータンク吹き返し

2005年式 JB23W-6型の水温異常で積載車で入庫  エンジンルーム下部から水漏れが発生。ラジエータ・リザーバータンクが吹き返しているようで、オーナーさんが水を追加。試走するも同様の現象になるためメンテナンスのご依頼がありました。点検すると、エンジン本機の状態は良好の様子。ラジエータキャップは交換済み。完全暖機後にラジエータ電動ファンON。問題無ければラジエータ電動ファンはOFFになりますが、そのまま電動ファンは駆動しているため、すぐにサーモスタットを点検。 サーモスタットのワックスペレットが漏れ出していました。蝋のような状態。これが熱で膨張するとバルブが押し開かれる構造です。 新品サーモスタットも動作確認。温度計を見ながら熱湯やヒートガンで温めます。82℃付近で開き始め、冷えるとリターンスプリングの力で閉じていきます。 スムーズに開閉することが重要です。また、サーモスタット周りのパッキンはゴムなので、冷却水も攻撃性を考慮している冷却剤のセッティングが大切です。取り付けでは、ジグル弁の位置を合わせることが基礎です。冷却剤はKEMITEC PG55 HQ 別注色をセッティング。安定した水温にしていきます。定期的な交換が大切です。  冷却水の吹き返し現象があったため、エンジン燃焼ガスが冷却水経路に侵入してきていないか、リークテスターで点検しました。オーバーヒートなどを引き起こした場合、シリンダーヘッドが歪み、ヘッドガスケット密着不良となり燃焼ガスが漏れることがあります。また、深刻なダメージはヘッドにクラックが入り燃焼ガス漏れとなる場合があります。これは微量でも許されません。リークテスターはラジエータキャップを取り外し、冷却水を少量抜きとり液面を下げておきます。エンジン始動して数分後、リークテスターのポンプでエアーを吸い上げます。このエアーバブルの中に燃焼ガスがあれば、テスト液が黄色に変化します。  点検結果はテスト液ブルーのままで、リーク無し。大事にならず良かったです。また、ラジータキャップの異常があると圧力調整不良となり水温上昇やラジエータのパンクの要因になります。定期的なラジエータキャップ純正品の交換を推奨します。  テスト液の色。マフラー排気ガスへ当ててみると、このように黄色がかって変わっていきます。2階層なので、慣れればリーク量のイメージが付きやすいです。

JB23W-8型 トランスファー・アクチュエータの異常

 4WDシフトインジケーター・ランプ点灯  先日、コンビネーションメーター内の4WDランプが走行中に点灯してしまう現象で、トランスファーの4WD-Hiシフトハブ・ロッキングボールとスプリングに異常が見受けられオーバーホウルを行いました。2WD走行中に4WD-Hiランプが再度点灯。常時現象が確認されることではなく、オーバーホウルで電動アクチュータの導通は問題無かったため、非分解式としていることもあり再使用としました。  アクチュエータハウジングのモーターカバーを取り外すと異物が出てきました。極寒冷地走行をされるため、融雪剤や滑り止めの砂や塩が侵入してきているのかもしれません。関東地方ではほぼ見られない現象だとおもいます。  アクチュエータギヤに取り付く接点は3つ。ギヤは樹脂製。電動モーターのウォームギヤが噛み合う構造。  トランスファー内部にも異常があったこともありますが、電動アクチュータをアッセンブリー交換。非分解式ですが検証のため分解すると、異物混入が多く、結露も見られました。 リミットスイッチ接点のショートと推測。電動モーターはアクチュエータ・ハウジングへケースカバーのように取り付いています。内側はコネクターまでの配電がされています。Oリングとグリースパッキンがされています。  接点が車体の振動などにより接触不良を起こしていたと推測。4WDシフト操作しておらず、インジケータランプが点灯。トランスファーのシフトポジションと電動アクチュータ接点のみ4WD位置を検出していまったためインジケータランプ点灯となったとおもわれます。(トランスファーダイアグ検出) 根本的な問題は、電動モーターが樹脂製のケース・ハウジングのため、電動モーターの駆動時に歪み開くのではないかと考えています。また、電動アクチュエータユニットはトランスファー後方横に位置されるため過酷な環境下なのかもしれません。アクチュエーター交換後はモーター音も静粛性を取り戻し、ランプ異常点灯もなくなりました。とても珍しい現象で勉強になりました。  定期点検でCRC-2-26接点復活剤スプレーなどをブリーダーホース穴からスプレーするのも良いのかもしれません。また、ブリーダーホース劣化やチェックバルブも細かくはチェックすると良いでしょう。

JA22W-2型 エンジン・ワイヤーハーネスのトラブル

エンジンワイヤー・ハーネスのトラブルにより積載車に載せられ入庫となりました。  JA22W-2型 1998年式とのこと。1997年から2型となっています。23年から24年経過しています。燃料系統や点火系統を点検するも、異常は見られず、センサー系統の配線を点検したところ、断線がありました。プレッシャーセンサー信号線断線です。ダイアグ自己診断システムに記録されないのです。配線に使われる銅合金が酸化して硬化。配線の被覆が硬化。エンジンの振動などにより配線が切れてしまった。折れてしまった表現でもあります。プレッシャーセンサーの位置を変更。エンジン制御ハーネスはすでに廃番となっています。コネクターを分解して修理となりました。

2010年式 JB23W-8型 トランスファーシフトトラブル・点検メンテナンス

トランスファー・インジケーターランプ点灯    約93440km総走行距離。JB23W-8型トランスファー・インジケーターランプ点灯するため点検となりました。コンビネーション・メーター内のトランスファー・インジケータ・ランプは4WDマークのランプが点滅することで異常をドライバーに通知する機能があります。  作業前点検はトランスファー・ダイアグノーシス点検を行います。2WD時でも4WDマークランプが点滅することがあり、ダイアグ診断を見るとコードが2つ記憶されていました。どちらもT/F-4WDスイッチの異常もしくは、電動アクチュエーター内部スイッチの異常、もしくは4WDシフトコントローラの異常が考えられる。そのようなコードです。  スイッチの導通や断線、接触不良を点検。電動アクチューエタ単体導通点検と動作点検を行い、電動アクチュエータ・イニシャル位置再調整を点検。電気制御系に大きな異常は見られません。4WDシフトコントローラECU正常です。分解整備を行う前に、インプットシャフトのオイル漏れがありました。インプット、フロント&リヤフランジの軸方向のガタも手で感じ取り点検。  分解前点検では大きな異常が見受けられないため、内部分解点検となりました。 オイルをすべて洗浄して落とし、油分を除去。乾燥を行うと、これまで見たことがない汚れを確認。異常な汚れと判断。この堆積物は強く表面に付着していました。通常の汚れの堆積は、ベアリングやギヤの当たりの際に発生する金属微粒子がオイルに溶け込み攪拌され、ケースやベアリング、ギヤやシャフトの表面に付着します。弱く付着するためブラッシングで洗浄可能範囲なのです。  内部メカ部パーツすべての堆積物を除去。ギヤやハブ・ドッキング部分は細かいため、サンドブラストの当て方で上手く除去しました。  2WD-4WD/Hiシフト・ハブのロッキングボール・スプリングが曲がり破損していました。 ハブキーに嵌まり込む構造です。ハブ・クラッチスリーブが摺動するときにコイルスプリングに横方向の力が働いてしまうためだと考えています。  ハブ・ユニットのキー&ロッキングボールとスプリングすべて交換。キーの動きをスムーズにします。4WD-Hiシンクロナイザリングも交換。ハブクラッチスリーブのスムーズな摺動にさせます。4WDスイッチも固着が考えられるため交換

JA22W-2型 トランスミッション・オーバーホール

   JA22W-2型の5速トランスミッションの1速と2速シフトが悪く、オーバーホールを行いました。全体にオイルが付着して汚れています。エンジンオイルの漏れも確認したので、飛散したエンジンオイルが混じっています。クラッチベルハウジングにもエンジンオイルとおもわれる汚れ。  分解洗浄を行いクリーンにします。洗浄すると状態がわかるため重要な作業です。  クラッチレリーズベアリングが摺動するスピンドル部分は給脂ができない構造です。メンテナンス不良はスピンドル段付き摩耗を起こすためレリーズベアリングの動きが悪化し、クラッチペダル踏力が大きくなり、重く感じてきます。オーバーホールではスピンドルを丁寧に研磨を行いコンパウンド研磨も施します。 ギヤとシャフト、ハブユニットを分解洗浄を行い点検。状態は良くシンクロナイザリングの摩耗がシフトしにくい要因でした。シンクロナイザリングは消耗パーツです。ギヤやシャフト類、ハブユニットの新品補修パーツの廃番が多く、状態の良い貴重なパーツです。 カウンターギヤはベアリングを取り付けケースに圧入。慎重にケースにはめ合わさないとケースが損傷します。 カウンターシャフトのベアリング部分のプラグです。プラグとベアリングの間の空気が抜けにくいため組み込み後にプラグが押し出されてしまいます。ベアリングの向きとプラグの取り付けにノウハウが必要なのです。 メインシャフトへ各ギヤとハブとシンクロナイザリングを組んでいきます。組み込み前後でシンクロナイザリングの当たり光明丹点検とハブとクリアランスをシックネスゲージ測定です。 ケースを組み付け、車両搭載の準備に入ります。 シフトレバーのロワーブッシュの粉砕破損が多く見られます。ロワーブッシュは半球型です。シフトレバーの動きが悪化してしまいます。オイルに犯されるため定期的な点検が必要です。  クラッチカバー&クラッチディスクを交換。スズキ純正部品です。 クラッチケーブルも合わせて点検。JB23Wまでワイヤー式です。クラッチペダルレバーに引っかかる形状です。小さなローラーがありますが、摩耗しています。 新品パーツのクラッチケーブルはワイヤーグリースがパッキングされています。が、ペダルレバーに引っかかる箇所は組み付け時にグリースアップが必須なのです。 トランスミッション・レリーズレバーに取り付くのは、スプリングと

IMPSアルティメット・リヤ・L.S.D JB23W-6型セッティング

IMPSアルティメット・リヤ・L.S.Dを定期点検組み付け調整を行いました。  分解前点検ではリングギヤとピニオンギヤのバックラッシュが過大に。分解洗浄点検ではL.S.Dサイドベアリング摩耗交換時期と判定。サイドベアリングを新品パーツへ交換。  IMPSアルティメットL.S.Dはオーバーホール可能です。今回はクラッチディスクプレートの状態も良好。プレッシャーリング55度の損傷も少なく、付着した汚れを洗浄。  L.S.Dの組み付けでは専用L.S.Dオイルを塗布しながら組むことを推奨しています。イニシャルトルク点検。組み付けのイニシャルトルク点検はデフに入力トルクをかけていない状態のイニシャルトルクを点検。実際はエンジンからの駆動力が掛かった状態のイニシャルトルクがあります。無負荷状態のイニシャルトルクをチェックすることで目安になります。 バックラッシュが0.05mm多かったので、L.S.D差動にタイムラグがややありました。最適なバックラッシュ調整にてL.S.Dの応答性が改善。 定期的なメンテナンスがとても大切です。

JB43W-AT トランスファーLowレンジ・ローギヤード・セッティング

JB43W-ATミッションのトランスファーLowレンジをローギヤード・セッティング  クロスカントリー走行に必要な低速ギヤ比を持たせるべくローギヤード・セッティングとなります。NA1.3LエンジンとATミッションのギヤ比は市街地から高速クルージングまで広く快適ですが、クロスカントリー走行を楽しむには、ややギヤ比が高いのです。4WD-Lowレンジのみのローギヤードは2WD-Hiレンジには影響を及ぼさないためこれまで通り街乗りから高速道路で快適で、4WD-Lowレンジにすれば必要なクロカンギヤ比で楽しめます。 まずは、チューニングの基本の製品の洗浄と点検からです。保護油を除去。同時に損傷などないかを点検(輸送中の損傷など考えられるからです)  今回は総走行距離も少なく、トランスファーのコンディションも良好ともあり、各パーツを点検洗浄を行い再組み付けとしました。古くなった油膜を洗浄。ベアリングやシャフト、ギヤの馴染み当たりも良好。走行距離が少なくてもコンディションが悪化していればオーバーホールとしています。  切削加工を要するため、分解となります。切削粉などがベアリングやシャフトに噛み込んではならないのです。ドライブチェーンとインプットシャフトはケースにはめ合うことでチェーンテンションが決まるため、注意して組み付ける必要があります。最良な組み付け方法を体得したので作業がスムーズに進みます。 車両へセットして試走後、完了となります。  Lowレンジ・ローギヤーのシフトは、場合によってはシフトミスが起きることがあります。ギヤの馴染み具合もありますが、ギヤ同士に力がかかったままではシフトされにくいです。Hiレンジはシンクロナイザーリングがあるので、フロントアウトプットシャフトとメインシャフトが同期してくれスムーズにシフトされます。Lowレンジシフトは停止状態、且つトランスミッションNポジションでシフト可能状態です。この際にフットブレーキを踏んでいる状況があるため、(ギヤ同士に掛かっていた力が解放されにくい)Lowレンジシフトミスがあった時はフットブレーキを踏み直す。または車両を数十センチ動かすことでシフトされます。Lowレンジから2WDへシフトする際も同様とおもいます。丁寧なLowレンジシフトを心掛けてください。JB64W/JB74Wも同様です。

1994年式 JA11C トランスミッション & トランスファーオーバーホール・IMPSロックロブスターLowギヤードセッティング

  1994年式 JA11C トランスミッション & トランスファーオーバーホールPart.1 から続きを作業スタート。トランスミッションメインシャフトのベアリング当たり部分のメッキ表面処理が仕上がって来ました。ユーザーさんがシャフトの摩耗が気になりメッキ表面処理を行ってきました。ベアリングとギヤ内径のクリアランスも調整したとのことです。ベアリングとギヤのクリアランスはオイルの潤滑に重要です。 トランスミッションケースの外観を塗装処理も行ってきました。焼き付け処理をしたとのことです。温度が上昇するので、しっかりした塗膜が良いのでしょう。アルミの腐食も防止できて良いですね。 メインシャフトにギヤとハブを組み付け。シンクロナイザリング新品交換。 ハブシフトフォークをすべて新品交換。シフトフォークシャフトは廃盤品のため研磨して再使用となりました。 車両に搭載。 トランスファーケースも塗装加工を行ってきました。とても美しく加工されています。 オーバーホールと同時に、IMPSロックロブスターLowギヤーをセッティング。 メインシャフト、カウンターシャフト、ベアリング、コンパニオンフランジと新品部品に交換。 ユニットを組み付け完了。新車当時よりも綺麗な仕上がりになったと思います。 搭載前にプロペラシャフトCVジョイントをオーバーホールしておき、すべて取り付け完了。 プロペラシャフトグリースニップルはNO'2とNo'3プロペラシャフトのヨークスリーブにあるので、グリースアップ。 試走後、シフトフィールが非常にスムーズになりました。特にT/Mメインシャフトのメッキ加工処理により、1st~5thギヤの回転がスムーズに細かく、シンクロナイザリングのブレーキ作用が細かく調節されている感触が手応えとして感じ取れます。またT/Fもメインシャフトやカンターシャフトを新品部品に交換したので、こちらもしっかりとした軸の元、ギヤが回転している手応えに。 27年前のジムニーでありながら、機関絶好調。これからも大切に維持していきましょう。