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JA22W-2型 トランスミッション・オーバーホール

 

 JA22W-2型の5速トランスミッションの1速と2速シフトが悪く、オーバーホールを行いました。全体にオイルが付着して汚れています。エンジンオイルの漏れも確認したので、飛散したエンジンオイルが混じっています。クラッチベルハウジングにもエンジンオイルとおもわれる汚れ。
 分解洗浄を行いクリーンにします。洗浄すると状態がわかるため重要な作業です。
 クラッチレリーズベアリングが摺動するスピンドル部分は給脂ができない構造です。メンテナンス不良はスピンドル段付き摩耗を起こすためレリーズベアリングの動きが悪化し、クラッチペダル踏力が大きくなり、重く感じてきます。オーバーホールではスピンドルを丁寧に研磨を行いコンパウンド研磨も施します。
ギヤとシャフト、ハブユニットを分解洗浄を行い点検。状態は良くシンクロナイザリングの摩耗がシフトしにくい要因でした。シンクロナイザリングは消耗パーツです。ギヤやシャフト類、ハブユニットの新品補修パーツの廃番が多く、状態の良い貴重なパーツです。
カウンターギヤはベアリングを取り付けケースに圧入。慎重にケースにはめ合わさないとケースが損傷します。
カウンターシャフトのベアリング部分のプラグです。プラグとベアリングの間の空気が抜けにくいため組み込み後にプラグが押し出されてしまいます。ベアリングの向きとプラグの取り付けにノウハウが必要なのです。

メインシャフトへ各ギヤとハブとシンクロナイザリングを組んでいきます。組み込み前後でシンクロナイザリングの当たり光明丹点検とハブとクリアランスをシックネスゲージ測定です。


ケースを組み付け、車両搭載の準備に入ります。

シフトレバーのロワーブッシュの粉砕破損が多く見られます。ロワーブッシュは半球型です。シフトレバーの動きが悪化してしまいます。オイルに犯されるため定期的な点検が必要です。

 クラッチカバー&クラッチディスクを交換。スズキ純正部品です。

クラッチケーブルも合わせて点検。JB23Wまでワイヤー式です。クラッチペダルレバーに引っかかる形状です。小さなローラーがありますが、摩耗しています。
新品パーツのクラッチケーブルはワイヤーグリースがパッキングされています。が、ペダルレバーに引っかかる箇所は組み付け時にグリースアップが必須なのです。

トランスミッション・レリーズレバーに取り付くのは、スプリングとピンにレバーが挟み込まれナットで保持されます。クラッチペダル遊び調整のためです。下廻りにさらされるため錆びが発生しやすいのです。組み付け時グリースアップが必須なのです。定期的にスプレーオイルを塗布すると良いのです。

 ガレージリフトアップ中にリヤサスペンション・ブッシュを点検。サスアームブッシュが破断しています。試走中にリヤサスペンション廻りからゴトゴト音やサスペンションの柔軟性と反応が遅いのを感じます。
新品純正ブッシュを手配して交換です。交換後はサスのゴムブッシュのゴムの良い動きが復活します。

 K6AヘッドカバーとデストリビューターOリングからエンジンオイル漏れも有り、ガスケット交換付帯整備となりました。デストリビューター着脱は点火時期調整となります。

 メンテナンスを重ねていくことで、時代を超えても楽しめます。また、JA11やJA12/JA22Wは純正補修部品の廃番が多くなってきました。整備作業にとりかかる前にパーツ廃止の確認後に整備となります。ジムニーのコンディションを監視することが大切です。