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6月, 2023の投稿を表示しています

JB64W パワーステアリングコントローラーの交換

JB64Wのパワーステアリングの不具合が発生 ハンドルが重たいままの走行になったとのことで、修理依頼を受けました。ユーザー様は旅先にて不具合に見舞われ、現地の修理工場へ点検依頼を行い、後日に我々の方で整備となりました。スズキ・スマート・ダイアグノーシス・テスター・2(SUZUKI SDT-2)を用いてECM(車両CPU)へ保存されている故障診断DTCコード(ダイアグコード)を確認したところ、パワーステアリングコントローラーの不良が考えられたため指示通りユニットを交換となりました。 パワーステアリングは電動モータでハンドル(ステアリングホイール)の操舵力をアシストする構造です。電動モータアシスト制御はECM制御とESP制御とパワーステアリングコントローラ制御で行なっています。自己診断ダイアグコードはパワーステアリング系統となります。 ステアリングの不具合が発生すると、パワーステアリングが停止するフェイルセーフになり、ハンドルがマニュアルステアリングになります。 今回はフェイルセーフを行うためのリレーが異常と判断されていました。リレーはパワーステリングコントローラ内にあり非分解式です。SDT-2の診断結果はリレーへ過大な電圧がかかりリレーが溶着した可能性があるとのことでした。修理方法はコントローラの交換になりますが、もしリレー部分だけを交換できても、周辺基盤のダメージも考えられるため交換となるのでしょう。 JB64Wセッティングにて注意すべき点は、サスペンション変更に伴いハンドル(ステアリングホイール)位置が変わるため、タイヤアライメント調整を行う必要があります。その後、SDT-2にてステアリング角補正値校正の作業を行うことです。(ハンドルの交換作業でも校正作業が必要です)ステアリング角補正値校正作業は、ステアリングの中立位置0点が記憶されている0点とズレが生じため制御に影響が出るために行う作業です。(パワーステアリングコントローラに記憶されていてバッテリー電源を遮断しても、ヒューズを抜いてもリセットされません) JB64WとJB74Wでは、制御面のメンテナンスも大切になってきています。

JB23W-5型ターボチャージャーオーバーホールとオイルクーラーのオイル漏れ修理

JB23W-5型ATのターボチャージャー付近のオイル漏れ修理 修理依頼を受け付け、エンジンルームと下廻りの目視点検を行い、ターボチャージャーと直下のオイルクーラーのオイル漏れが多く修理となりました。ターボチャージャーは左側(エンジン前方より)に配置されています。直下のオイルクーラーとは丸い円形状の物で、エンジン冷却水が通り、エンジンオイルを冷却しています。660ccジムニー全車に採用されている水冷式オイルクーラーです。オイルクーラーのゴムガスケットが劣化しており、エンジンオイル漏れの要因になり、エンジンオイルの漏れは油圧の低下を招きます。油圧低下はエンジンやターボへのオイル供給に影響があります。ターボチャージャーを取り外し作業スペースを確保して適正に組み付けていきます。 取り外されたターボチャージャーは、日立製でした。ターボのメーカーは新車販売当時に日立製とIHI製の2種類が混在しており、新品部品ではIHI製に部品統一されています。予算の都合が合えば新品ターボチャージャーのセッティングが良いですが、ターボ専門オーバーホール会社にてオーバーホールされたターボは新品同様のパフォーマンスが復帰し、予算も大幅に抑えられるため採用しております。交換になりますが、取り外されたターボはコア返却となり、再生可能状態であることがコア返却条件です。 オーバーホールされたターボチャージャーを組み付け。現在の統一部品のIHI製となりました。ターボチャージャーの取り付け後の不具合は、エンジンのコンディションが悪い場合に発生することが多いのです。また、付帯する部品の点検洗浄工程を怠った組み付けにより不具合が発生する場合もあります。周辺の点検もしつつ、適正に組み付けます。 エアークリーナーボックスホースが切れていましたので、ホースのみ交換。ビニールテープで応急処置されていました。エアークリーナーボックスホースはターボパイプに直接接続されます。切れていたりすると、外気を直接吸入するため、異物混入の要因になります。エアーフィルターで濾過されたフレッシュエアーをターボに吸気させることが重要なのです。また、エアークリーナーフィルターも同時に点検交換としており、ターボ交換作業ではエンジンオイルも良質な新油へ交換必須となります。 組み付け後の試走では、ノーマル状態の適正なターボの過給圧となり、エンジンの加速