JB64W-5型軽ジムニーの最新モデルをご所有のお客様より、サスペンションチューニングのご依頼をいただきました。セッティングの実施に先立ち、お客様の想定される走行シーンについてヒアリングを行い、ジムニーの機械的特性や適切なセッティング・チューニングの考え方についてご説明した上で、調整を進めました。まずは、サスペンションセッティングの基盤となるタイヤ、コイルスプリング、ダンパーの変更を実施いたしました。 セッティング前のノーマル仕様において、カーブへの進入時に助手席の同乗者が運転席側へ移動したとのことです。四輪車は遠心力の影響を受け、旋回方向と反対の力が車体に作用するため、サスペンションのダンパーやコイルスプリングが迅速に性能を発揮することが求められます。チューニングの動機は、ジムニーの操縦をより楽しむことにあります。この目標を達成するためには、適切なセッティングの実施が不可欠です。 タイヤにはヨコハマタイヤのジオランダーX-AT(185/85R16)をスズキ純正アルミホイールに装着しました。サスペンションには、モトレージのTERRA HOTコイルスプリングセット(20mmアップ)およびモトレージ・スペシャルビルシュタイン46ダンパーを採用しています。一般道、林道などの未舗装路、キャンプ場周辺のラフロードにおいて、極めてバランスの取れた車高を実現しています。軽量4WDであるジムニーの性能をさらに引き出すための基本的な車高アップであり、今後もサスペンションアームやロッド類、駆動系の調整、ガード類の追加など、さらなるチューニングの余地があります。 タイヤ、サスペンション用コイルスプリング、およびダンパーの変更のみでも、車両のポテンシャルは劇的に向上します。これは、適切なコイルスプリングの設定と、最適化されたダンパーの減衰特性が実現されているためです。性能向上のためのチューニングパーツは、品質の高さに加え、適切なセッティングの考え方によってその効果が左右されます。 JB64W-5型では、マルチディスプレイモニターのカラー化およびモーションモニターの表示機能が追加されたため、試走において直ちに活用いたしました。本機能は車載Gセンサーのデータを基に、前後左右の車体加速度をグラフィカルに表示します。また、マイナーチェンジに伴いフロントバンパーにミリ波レーダーユニットが内蔵されたた...
JB74W-1型車両、走行距離10万キロメートルにて、スタートシステム点検の表示が確認されました。現象は警告表示と時折、エンジンが停止しないなど。車両を点検入庫させ、エンジンスタートストップスイッチを数回操作したところ、マルチディスプレイにシステム点検必要表示と警告灯の点灯が確認されました。また、DTC(ダイアグノーススコード)の検出も確認されました。電子制御装置の動作確認は、SDT2(スズキスマートダイアグノーシステスター2)ソフトウェアを用いて点検確認作業を実施し、PC画面に情報を一括表示することで、早期に異常箇所を特定することが可能です。電子制御装置の項目は全て確認可能ですが、項目数が多く、診断機器を用いた点検方法が重要となります。 ダイアグコードは、スタートスイッチ系統の異常を示唆するものでした。診断ソフトウェアは電子制御装置の動作のみを確認するため、ダイアグコードに基づき故障整備のフローチャートはサービスマニュアルを参照し、作業者の整備ノウハウを活用して特定していきます。早速、スタートスイッチの内部スイッチの動作を確認したところ、内部の2つのスイッチが正常にON/OFFされないことが確認されました。これが、異常コードとして検出された原因と考えられます。 新品のスタートスイッチに交換後、SDT2診断ソフトの画面上でスタートスイッチを操作し、内部スイッチのON/OFF状態をPC画面上で確認しました。異常なく動作を確認し、警告表示もなく正常に復帰しました。スタートスイッチの点検手順としては、スイッチ交換前に接続配線の抵抗測定、導通、地絡点検がサービスマニュアルに記載されています。配線に異常がない場合は、スイッチ単体の点検を行いNGの場合は交換を実施し、それでも問題が解決しない場合は、ボディーコントローラーモジュール(BCM)の交換を検討します。BCMはボディー架装系のコンピューターであり、高額な部品となります。当然ながら、基本的にはサービスマニュアルに従って作業を進めますが、車両の経年数、過走行状況、電装品のカスタマイズなどを考慮すると、ワイヤーハーネスの異常やBCM本体の異常は発生しにくいと判断し、まずはスタートスイッチの交換を実施しました。電子制御装置のワイヤーハーネスやコントロールモジュールは、高い信頼性を確保して設計・製造されているため、他者の誤った整備...