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7月, 2020の投稿を表示しています

JB23W-7型 トランスファーLowギアーセッティング

JB23W-7型 トランスファーローギアセッティングのチューニング依頼があり組み込みとなりました。約59,000km走行のJB23-7型と走行距離は少ないですが、クロスカントリー走行が多く含まれるため、通常の走行使用よりも駆動系に多くの負担がかかってきています。さらなるオフロードへ赴くためにトランスファーメンテナンスを推奨。 JB23W-5型以降はトランスファーがモデルチェンジを経て、現在のJB64Wへと引き継がれている構造です。JB64Wではトランスファーレバー式となりましたが、JB23W-5型〜10型は電動アクチューエター式シフト。作業要領はレバー式と電動アクチュエータシフト式では異なります。 ケースは2分割式。トランスファーオイルをとてもこまめに交換メンテナンスをしてきているので汚れの体積も少なく、ギアーの当たりは良好 組まれているベアリングを交換していき、洗浄したのち点検。 同時に、クラッチをオーバーホール。トランスファーローギアーのセッティングに伴い、クラッチアッセンブリーを交換。クラッチとフライホイールにクラッチの滑りを起こさせてしまっていました。フライホイールの当たり面に深刻な歪みは無く、洗浄して再使用。中央のベアリングも交換します。パイロットベアリングはミッションインプットシャフトの軸受けベアリングになり、ベアリング摩耗が進行している場合クラッチの作動に影響がでます。 トランスミッションベルハウジングの汚れの多くはクラッチディスクの摩擦材のダストが堆積します。ダスト汚れがクラッチレリーズベアリングの動きを悪化させます。過去の整備歴のあるジムニーにベルハウジングの清掃不足が見受けられます。IMPSではベルハウジングの洗浄は欠かせない作業です。 クラッチカバーのダイアフラムスプリングを押すレリーズベアリングとレリーズフォークの汚れはクラッチディスクのダストが堆積。グリース塗布重要箇所なので、ダストの堆積とグリースで研磨剤のようになり、トランスミッションケースにダメージを与えてしまう要因。 フライホイールを取り外し、K6Aエンジンクランクシャフトリアオイルシールを交換メンテナンスを付帯整備としています。クランクシャフトは重要パーツなので、わずかな傷をつけることは許されないのです。 スズキ純正クラッチカバー&クラッチディスク交換にて補修。フライホイー

JB23W-10型 ATミッション・シフトセレクトレバーがロックされる

まだまだ走行距離の短い、JB23W-10型 ATミッションのシフトセレクトレバーがロックされた状態になり、コンビネーションメーターにインジケーター点灯により修理依頼を受けました。 現車の状況をみると、JB23W-10型のコンビネーションメーター中央のインフォメーション部分にはシフトポジションが表示されるのですが、非表示となっていました。 シフトセレクトレバーはイグニッションキーACCからONの位置にて、ブレーキを踏み込みシフトセレクトレバーロックが解除されPポジションからシフト可能となりますが、手動解除ボタンを押さなければ解除出来ない状態となっていました。Rポジションではリバースブザーも鳴りません。バックランプも点灯しません。 SDT-2故障診断機を用いて解析。 シフトスイッチをATミッションから取り外し点検測定をしていきます。取り外すためにロックナットに触れると緩みが発生していた様子。これにより、シフトスイッチのボディーが振動。 取り外す時の手応えは感じとっておきます。 レバーのリンクはATミッションに直接接続されます。同様にシャフトにシフトスイッチがエンゲージされる構造。 シフトスイッチの導通を点検。シフトスイッチは各シフトポジションで接点がONになります。 測定すると、Pポジションの導通無し。 異常が判明したので、新品部品を発注となりました。入荷までシフトスイッチを検証してみます。 シフトスイッチは非分解式です。ケースを留めているカシメのピンを削り分解してみます。 接点が樹脂ボディーに。 接点の端子は内部のアルミのレバーに入る構造。小さなスプリングで接点に押さえつけられています。ケースのシールは厳重に組み込まれていました。 新品シフトスイッチが入荷。ロックナットとロックナットプレートも付いてきました。 SDT-2診断機にてダイアグコードを消去。メーターのインジケーターランプを消灯。シフトスイッチを交換とスイッチ位置調整を行い、シフトセレクトレバーリンクを調整組み付け。 同時に、バックランプ不灯を点検。BACKヒューズが切れています。ATミッションバックランプスイッチはシフトスイッチで作動します。 シフトスイッチのPポジションとRポジションの接点不良とバックランプのショートによりBACKヒューズが切れ、ATコントローラーがダイアグコードを記録したと推測。 バック

ジムニーオフロード走行のギア比選び

先日のIMPSスタディーフィールドクロスカントリー走行会の1シーン グリップが期待できない路面ではジムニー(車両)の慣性力を利用することは、常識。 だけど、どのギア比で登坂するか?は長年走り込んでいても難しく面白い場面。 減速比を下げたローギアー比を持って1速をセレクトするのことは基本ですが、降雨により水分の多い土は想像以上に柔らかくなり、地形の変化と走行抵抗が刻々と変化していきます。 登るためのアプローチは1速の駆動力が要ると判断するも、登りきる頂上付近でタイヤの空転が起きてしまい、そのから動けなくなる。あと少しだったのに、、、 1速では登れないが、2速では登れる トランスファーのシフトポジションは4WD-LOW。2速とはトランスミッションの2nd。 オフロードの基本的なギア比選びは走行抵抗に負けない駆動力と同時に、勝ちすぎないこと。 柔らかい路面に勝ちすぎない駆動力は、タイヤの空転を防ぐことです。空転ロスはアクセルスロットルワークでも調節するが、登るアプローチから大きな駆動力をかけられないときもある。登るときの速度は結果的に車速低下しながら頂上付近に到達するので、タイヤが空転しにくく頂上付近に差し掛かってもストールせずにパワーバンド内に収まる、ギア比選びが走破のポイント。 2速を選択発進ギアにすることで、減速されタイヤの空転を抑えつつ、駆動力を路面にかけすぎない。尚且つ頂上付近ではストールせずに登りきり前進していきます。 クロスカントリー走行、特に泥濘地の不整地走行は2速、3速と使えるギア比を持っていると路面の状況に見合った選択が広がるのです。 何事もなくスルスルと走破してしまうベテランオフローダーが涼しい顔して走破している秘密のひとつなのです。