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JB23W-7型 トランスファーLowギアーセッティング


JB23W-7型 トランスファーローギアセッティングのチューニング依頼があり組み込みとなりました。約59,000km走行のJB23-7型と走行距離は少ないですが、クロスカントリー走行が多く含まれるため、通常の走行使用よりも駆動系に多くの負担がかかってきています。さらなるオフロードへ赴くためにトランスファーメンテナンスを推奨。

JB23W-5型以降はトランスファーがモデルチェンジを経て、現在のJB64Wへと引き継がれている構造です。JB64Wではトランスファーレバー式となりましたが、JB23W-5型〜10型は電動アクチューエター式シフト。作業要領はレバー式と電動アクチュエータシフト式では異なります。
ケースは2分割式。トランスファーオイルをとてもこまめに交換メンテナンスをしてきているので汚れの体積も少なく、ギアーの当たりは良好

組まれているベアリングを交換していき、洗浄したのち点検。

同時に、クラッチをオーバーホール。トランスファーローギアーのセッティングに伴い、クラッチアッセンブリーを交換。クラッチとフライホイールにクラッチの滑りを起こさせてしまっていました。フライホイールの当たり面に深刻な歪みは無く、洗浄して再使用。中央のベアリングも交換します。パイロットベアリングはミッションインプットシャフトの軸受けベアリングになり、ベアリング摩耗が進行している場合クラッチの作動に影響がでます。

トランスミッションベルハウジングの汚れの多くはクラッチディスクの摩擦材のダストが堆積します。ダスト汚れがクラッチレリーズベアリングの動きを悪化させます。過去の整備歴のあるジムニーにベルハウジングの清掃不足が見受けられます。IMPSではベルハウジングの洗浄は欠かせない作業です。

クラッチカバーのダイアフラムスプリングを押すレリーズベアリングとレリーズフォークの汚れはクラッチディスクのダストが堆積。グリース塗布重要箇所なので、ダストの堆積とグリースで研磨剤のようになり、トランスミッションケースにダメージを与えてしまう要因。

フライホイールを取り外し、K6Aエンジンクランクシャフトリアオイルシールを交換メンテナンスを付帯整備としています。クランクシャフトは重要パーツなので、わずかな傷をつけることは許されないのです。

スズキ純正クラッチカバー&クラッチディスク交換にて補修。フライホイールとクラッチカバーの取り付けボルトはトルクレンチにより適正トルクで締付けることが重要です。

ベルハウジングを洗浄したのち、レリーズフォーク洗浄点検。レリーズベアリングを新品に交換。レリーズフォークピボットボルトも新品部品に交換。グリースは化学合成100%良質なグリースを用います。グリースの粘性をセッティング。

トランスファーのオーバーホールに作業に戻り、点検中に判明したハブスリーブのキースプリングの曲がり。新品パーツを手配して組み込んでいきます。

キースプリングはハブキーの内部にボールと合わせて組み込まれる構造。2WDから4WDフロントへ駆動を断続する部分です。4WDフロント接続ではシンクロナイザリングが組み込まれます。
ローギアーセットはZEALローギアーセットを採用。非常に精度のあるギアーです。ギアーは信頼性の高いことが非常に重要です。メインシャフトローギアーとカウンターギアーを組み込んでいきます。シフトフォークとケースの切削加工を要します。

ケースに組み込んでいきます。組み付けでは4WD-LOWポジションで組みます。ケースを閉じたのち、すべてのシフトに問題が無いことを点検。組み付けではシフトフォークの位置に注意することが求められます。

車両に搭載する準備を整えスタンバイするJB23W-7型トランスファー
この段階でクロカン低速走行の走破性をみせてあげよう、、、と申してきそうです。
搭載後、試走を行い作業完了。ユーザーさんへギア比の解説。
次のクロカン走行がとても楽しい時間になります。