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JA11V・A/Tのフロントブレーキロックを修理

JA11V・ATのユーザー様より、ハンドルステアリングが右に取られるというご依頼を受け、ブレーキの点検を実施いたしました。車両をジャックアップし、フロント右タイヤの引きずりを点検したところ、タイヤが回転せず、フロントブレーキキャリパーのロックが判明いたしました。分解整備を行ったところ、ブレーキパッドが完全に炭化している状態でした。ブレーキ残量が走行距離に応じて減少した場合、ブレーキキャリパーピストンが戻らなくなる可能性があり、特にジムニーは片側シングルピストンのため、定期的なキャリパーオーバーホールが重要となります。正常に作動しないブレーキでの走行は、危険性が高まりますのでご注意ください。

ブレーキ分解整備作業を実施いたします。キャリパーピストンに固着が見られ、ピストンを交換して修理整備を行います。キャリパーアッセンブリーは価格が高額となるため、ピストンキット(ピストン、ピストンシール、ダストブーツのセット)を用いて、予算を抑えつつ確実なブレーキ整備を実施いたします。

ピストンの取り外しは空気圧で行いますが、固着が著しい場合は、これまでの整備ノウハウに基づき作業を進めます。取り外したピストンには、全体的に錆が発生していました。これは、ブレーキ液の吸湿性の高さから、ブレーキ液中の水分が錆の原因となっています。ブレーキ液の定期交換を行うことで、水分を含ませず、潤滑油として安定してピストンを動かすことができます。ピストンは新品部品へ交換いたします。

キャリパーシリンダー側はダストブーツ部分のみ錆びておりますが、内部への損傷は軽微であり、洗浄および研磨の上、組み付けを行います。キャリパーの損傷が著しい場合は、キャリパーを交換いたします。ブレーキ液やブレーキディスクローターも新品部品に交換いたします。
試走では時速60km/hほどまで加速し、ブレーキペダルをゆっくり強く、車両停止まで踏み続け、両輪均一に制動するか確認し作業完了といたしました。試走で違和感がある場合は、ブレーキテスターにて制動力を点検する場合もございます。