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JB23W-6型 水温異常・リザーバータンク吹き返し

2005年式 JB23W-6型の水温異常で積載車で入庫
 エンジンルーム下部から水漏れが発生。ラジエータ・リザーバータンクが吹き返しているようで、オーナーさんが水を追加。試走するも同様の現象になるためメンテナンスのご依頼がありました。点検すると、エンジン本機の状態は良好の様子。ラジエータキャップは交換済み。完全暖機後にラジエータ電動ファンON。問題無ければラジエータ電動ファンはOFFになりますが、そのまま電動ファンは駆動しているため、すぐにサーモスタットを点検。

サーモスタットのワックスペレットが漏れ出していました。蝋のような状態。これが熱で膨張するとバルブが押し開かれる構造です。
新品サーモスタットも動作確認。温度計を見ながら熱湯やヒートガンで温めます。82℃付近で開き始め、冷えるとリターンスプリングの力で閉じていきます。
スムーズに開閉することが重要です。また、サーモスタット周りのパッキンはゴムなので、冷却水も攻撃性を考慮している冷却剤のセッティングが大切です。取り付けでは、ジグル弁の位置を合わせることが基礎です。冷却剤はKEMITEC PG55 HQ 別注色をセッティング。安定した水温にしていきます。定期的な交換が大切です。

 冷却水の吹き返し現象があったため、エンジン燃焼ガスが冷却水経路に侵入してきていないか、リークテスターで点検しました。オーバーヒートなどを引き起こした場合、シリンダーヘッドが歪み、ヘッドガスケット密着不良となり燃焼ガスが漏れることがあります。また、深刻なダメージはヘッドにクラックが入り燃焼ガス漏れとなる場合があります。これは微量でも許されません。リークテスターはラジエータキャップを取り外し、冷却水を少量抜きとり液面を下げておきます。エンジン始動して数分後、リークテスターのポンプでエアーを吸い上げます。このエアーバブルの中に燃焼ガスがあれば、テスト液が黄色に変化します。
 点検結果はテスト液ブルーのままで、リーク無し。大事にならず良かったです。また、ラジータキャップの異常があると圧力調整不良となり水温上昇やラジエータのパンクの要因になります。定期的なラジエータキャップ純正品の交換を推奨します。


 テスト液の色。マフラー排気ガスへ当ててみると、このように黄色がかって変わっていきます。2階層なので、慣れればリーク量のイメージが付きやすいです。