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JB23W-8型 エンジンチェックランプ点灯にて点検診断

コンビネーションメーターのエンジンチェックランプが点灯し、点検依頼がありました。エンジンチェックランプは、エンジン制御に関わる各センサーの異常を警告するものです。SDT診断機(スズキダイアグノーシステスター)または車両の診断モードを使用することで、異常が発生しているセンサー系統を特定できます。診断コードには、触媒劣化の記録がありました。排ガス浄化装置の触媒劣化により、A/FセンサーとO2センサーに基準値外の電位差が生じており、触媒劣化が診断されました。このコードはフェイルセーフはされないため、異常コードの記録はエンジン保護制御には影響しません。再点灯の可能性を考慮し、O2センサーを交換しました。触媒は非常に高価であるため、現状では交換を見送りました。根本的な故障要因は、走行距離が過大であるため、エンジン燃焼状態やエンジンコンディションが悪化し、排気ガス中のカーボンスラッジが増加し、触媒エリアに堆積していると考えられます。また、エンジン燃焼温度の異常なども考えられます。660ccエンジンの小排気量であるジムニーは、タイヤや車両重量の増加により、エンジンに過酷な環境なのです。

ステアリングホイールの振れ点検依頼もありました。タイヤをチェックすると、トレッド面のブロックが段減りし始めていました。転がり抵抗に影響が出ます。タイヤの振動もステアリング系統に影響を及ぼします。ジオランダーG003/MTタイヤはトレッドブロックの段減りが進行しやすい傾向で、早期に交換すると良いでしょう。

点検の結果、ステアリングリンクロッドエンドを全て交換いたしました。ステアリングギヤボックスからアクスル左右端ステアリングナックルへ接続されるロッド(棒)の端部にはボールジョイントが装着され、ナックルに接続されております。ボールジョイントの可動域が摩耗するとプレロードが低下し、ステアリング系統の位置が不安定になるため、ステアリング振れの要因となると考えられ、交換作業とさせていただきました。ステアリングギヤボックスは、ラダーフレームに装着され、ロッドを介してステアリングナックルを操舵するため、ステアリングの応答性に劣る構造となっています。そのため、定期的なオーバーホール品への交換をお勧めいたします。