長期間の使用により、部品の劣化が見られます。過去の整備履歴は不明ですが、初めてオーバーホールとなる可能性も考えられます。JA22Wのフロントアクスルハブオーバーホールは、フロントタイヤの回転を担うホイールベアリングと、操舵を担うステアリングナックルのオーバーホールとなります。アクスルリジット4x4システムのため、ドライブシャフトはアクスルチューブ内に収められています。ドライブシャフトはCV等速ジョイントを採用しており、ステアリングナックルにグリースを封入する必要があります。また、ホイールベアリング、キングピンベアリングも交換し、グリースパッキングを行い、最適なコンディションで組み立てます。
フロントホイールハブオーバーホールでは、ブレーキディスクローターも取り外し、点検を行います。ブレーキパッドが接触する面に錆や劣化が見られ、摩耗が進んでいる場合は、新品のブレーキディスクローターに交換いたします。これにより、ブレーキパッドの接触面が復元され、確かな制動力を確保し、安全性を高めることができます。
分解した部品は洗浄し、補修が必要な部分は補修パーツを用いて交換いたします。その後、部品を綺麗に組み立て、機能確認を行います。
アクスルの端にあるボールは、ステアリング操作時に擦れる部分であるため、簡易塗装を施しておきます。地肌が露出していてもグリースアップされているため、錆びる可能性は低いです。ただし、放置時間が長い場合は注意が必要です。
その他アクスルパーツの塗装剥離が多数確認される場合は、シャシーブラックにて簡易塗装を実施いたします。また、ステアリングロッドエンドの点検を行い、必要に応じて交換いたします。お客様のご予算に応じて、点検分解整備も承っております。
スズキ純正部品のブレーキディスクロータです。組み付け後、4WD化のためのフリーハブの動作確認を行います。当時のジムニーは、4WD化のため降車し、フロントハブ中央のフリーハブダイアルを操作して「Lock」を選択する必要があります。この際、ダイアルの回転不良が発生すると「Lock」状態にできないため、オフロード走行時に4WD化が困難となり、走破性が低下する可能性があります。そのため、定期的な点検が重要となります。
リヤサスペンションアームのブッシュ交換を付帯整備として実施いたしました。本部品は、カラーにゴムブッシュが封入成形されており、ボルトカラーの捩れにより、長期間使用後のゴムが劣化し破損しております。サスペンションからタイヤへ駆動力を伝達する重要な部品であるため、定期的な点検と交換をお勧めいたします。