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JB23W-8型 K6Aエンジン・トラブル


2010年式のJB23W-8型 約221,000km走行後、エンジンが悪化のため修理依頼を受けました。まずは、各気筒点火コイルを点検。スパークプラグの状態を点検。スパークプラグは番数が上げられていました。燻り状態です。次に、エンジン圧縮圧力を点検。1番シリンダー11.0kgf/㎠。2番シリンダー0kgf/㎠。3番10.0kgf/㎠。アクセル全開時、スターターモーターのクランキングで圧縮圧力を点検します。この時の圧力計の上昇具合も見ていくことで、シリンダーの摩耗や傷、シリンダーヘッド異常の状態を想定できます。


シリンダーヘッドを取り外すため、タイミングチェーンを点検。クランクシャフトを1番圧縮上死点に合わせます。
カムシャフトの位置を確認すると、シリンダーヘッドの合いマークに合致しません。インテークカムシャフトとエキゾーストカムシャフトがずれた状態で組まれている可能性が高いです。カムシャフトがずれていると、バルブタイミングも狂っているので、ピストンのストロークと合わず、燃焼爆発に影響がとても大きいです。過去の整備跡がありました。このような組み付けは本来無いはずです。
シリンダーヘッドを確認。2番燃焼室、エキゾーストバルブ後方側にダメージがありました。バルブヘッド径も小さくなっています。推測されるのは、過走行でバルブステム摩耗限度以上となり、バルブフェースが当たり異常、フェース摩耗が進行していき、破損すると考えます。ヘッドオーバーホールにて、点検次第バルブステムガイド打ち替えやバルブシートリング打ち替えリフェース加工、バルブ交換、フェースリフェース加工などなどの加工工程となるでしょう。
1番シリンダーの状態を見ると、縦方向に傷があります。深い傷でした。異物混入や、ピストン棚落ちにより、ピストンがシリンダーにダメージを与えたと考えられます。1番シリンダー圧縮圧力の上昇が鈍かったのです。シリンダーの上端の燃焼室エリアもカーボンスラッジの堆積がありました。全てクリーンにして作業は続きます。