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JB23W - 6型 フロントホイールハブ・メンテナンス

ステアリング・ウォブルが起きるため、フロントアクスルホイールハブを点検。前回のオーバーホウルから約54000km走行使用。含まれる走行距離のクロスカントリー走行も頻度が高いとおもわれます。左キングピンベアリングアウターレース下部が破断していました。テーパーローラーベアリングのあたりも不良。
フロントアクスルからホイールハブとステアリングナックルを分解洗浄。アクスル左右端の半球部分の上下にキングピンベアリングがあり、操舵軸となっています。キングピンベアリングの交換はテーパローラーベアリングとベアリングアウターレースとなり、アウターレースはアクスルへ圧入されます。ベアリングとアウターレースはセット交換。アウターレースの取り外しではアクスルにダメージの与えない作業となります。アクスルとアウターレースのはめ合いが緩くなっている場合はアクスル修正を行います。アウターレースの圧入はブラスハンマーにてアウターレースにダメージを与えない作業となります。付帯する作業にて、ステアリングリンクロッド点検。ギアボックスピットマンアームからつながるステアリングタイロッド・エンドジョイントボールの異常はみられません。ステアリングナックルを介してフロントデフリバースローテーション後方にレイアウトされるドラッグリンクロッドの曲がり損傷があり、修正となりました。トーイン・トーアウトを適正化。フロントタイヤ&ホイールバランス点検も異常無し。

キングピンベアリングとハブベアリング、ナックルシール、ハブオイルシール、シャフトオイルシール、封入されるグリースなどの消耗品を交換し適正に組み付けを行うことで、大半のステアリングウォブルは起きなくなります。基本的な消耗パーツの交換組み付けでリカバリーできない場合、ハブスピンドル・ブッシュやハブ・ケース、ステアリングナックルやドライブシャフト(CVジョイント消耗)など、より一層深い消耗部分の交換組み付けとなります。
キングピンベアリングやアウターレースの異常はプレロード異常状態とステアリング中のタイヤへの荷重により、過剰な負担をかけていると考えています。

JB23ハブベアリングはボールベアリング式です。2つのボールベアリングユニットが1つのアウターレースに組み込まれています。2つのインナーレースの間にクリアランスがあり、プレロードをかけることでセンターが合う構造と考えています。新品状態でもグリースは入っていますが、良質なベアリンググリースをパッキングします。ボールベアリングですが、定期的なロックナットの増し締め点検はとても重要です。

ナックルにナックルシール、キングピン、組み付けたハブを組み付けます。組み付けでは金属同士の接する箇所にスリーボンド液体ガスケット灰色1215を塗布して水分などの混入を防ぐように組み付けていきます。
試走後、ステアリングの手応えを確認。スムーズなステアリング応答性とホイールハブ振れが無いことを確認。また、ステアリングの振れが起こる場合、関連する箇所のメンテナンスが必要な場合があります。ひとつひとつの機能部品のメンテナンスが大切です。