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JA12W-F6Aエンジンオイル漏れ修理

JA12W所有者様より、エンジン前方からのオイル漏れ修理依頼を受け、作業に着手いたしました。点検の結果、カムシャフトオイルシールおよびクランクシャフトフロントオイルシールからのエンジンオイル漏れが確認されました。これらのオイルシール交換に伴い、タイミングベルトおよびウォータポンプの着脱作業が必要となるため、これらも同時に交換させていただきます。



カムシャフトオイルシールの交換作業を実施しました。シリンダーヘッドへの取り付けですが、オイルシールの接触面を変更することで対応いたします。


クランクシャフトフロントオイルシールとカムシャフトオイルシールは、同一のオイルシールです。オイルシールの当たり損傷が発生した場合、クランクシャフトおよびカムシャフトを単体で、当該部位をラッピング機械加工する可能性があります。その場合はエンジンフルオーバーホールとなります。

ウォーターポンプは新品パーツに交換いたしました。エンジンブロックに直接ボルトで接続されます。ポンプガスケットの劣化等により、冷却水漏れが発生する可能性があります。また、エンジンブロックには細いスタッドボルトが2箇所存在しますが、無理に取り外すとボルトが折損する恐れがあります。作業には細心の注意を払って実施します。


タイミングベルトカバープレートのクッションシールを新品パーツに交換いたします。プレートは鉄製であり、エンジンヘッドに取り付けられるため、取付ボルトグロメットとクッションが設けられています。部品を洗浄し、清潔な状態で組み付けていきます。


プレートを取り付け、周辺の油分を除去していきます。タイミングベルトは油分厳禁のため、部品の洗浄および組み付けしていきます。


カムシャフトプーリボルトにネジ齧り防止剤を塗布して組み付けていきます。

カムシャフトプーリを取り付けけ、タイミングベルトを適切に組み付けていきます。タイミングベルトには方向性があるのです。

カムシャフトプーリボルトを適正規定トルク55Nmで締め付けていきます。

タイミングベルトカバーのシールクッションは、タイミングベルトカバー内部の保護を目的として、新品部品に交換いたします。F6Aエンジン初期型は一体式カバーですが、後期型は2分割式カバーです。なお、これらのカバーは新品パーツ生産廃止品となっております。


タイミングベルトのテンショナーベアリングを新品交換し、適切なベルト張力を設定します。ベルトは初期伸びがあるため、定期的なメンテナンスとして馴染み後、ベルト張力の再調整が推奨されます。


タイミングベルトカバーを取り付け密閉し、ウォーターポンプ&オルタネータベルト、A/Cベルト&パワーステアリングポンプベルトも新品交換します。

作業においては、ラジエータの着脱点検をしました。ラジエータブラケットのろう付け溶接部分が剥離していたため、ラジエータオーバーホールに至りました。F6Aエンジンを搭載したジムニーは、ラジエータがフレームからブラケットを介して接続される構造上、振動を受けやすい傾向にあります。ラジエータオーバーホールにより、長年の使用による内部の汚れ堆積を除去し、放熱フィンの潰れなども新品同様の状態に復元することで、適正な走行風が確保され、冷却効果が向上いたします。


車両の経年劣化を考慮し、各部点検実施前に新品パーツの生産廃止品等を調査し、作業を実施しております。作業に必要となる新品パーツに生産廃止部品が含まれる場合、原則として作業の受付はいたしません。定期的なメンテナンスは、車両の安全性と信頼性を維持するために不可欠です。