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1992年式 JA11C-3型 冷却水が減少・インテークマニホールドオーバーホール

 

JA11C-3型 F6Aエンジンの冷却水が減少するとのことで修理メンテナンス

 エンジンブロックサイドにインレット・ウォーターパイプが取り付く形のF6Aエンジンです。パイプガスケットが劣化しており、ガスケット不良となり水漏れが発生。旧ガスケットは紙製ですが、新ガスケットはメタル製になっており、密着性も向上。インレット・ウォーターパイプは腐食も見られたためスズキ純正新品パーツにて交換。着脱では取り付けボルトが細いため細心の注意が必要です。

インレット・ウォーターパイプの交換に伴い、インテークマニホールドガスケットも点検交換となりました。インマニガスケットもシリンダーヘッドから冷却水を供給されるため、密閉が必要なのです。
インマニ吸気ポートを点検。長年の汚れが堆積固着しています。ブローバイガスやEGRからの未燃焼ガスがインテークマニホールド内部に溜まるため汚れが付着してしまうのです。

 F6Aエンジン・インテークマニホールドは分解式のためオーバーホールしていきます。吸気ポート部分、サージタンク部分、スロットルボディー部分の3ピース構造です。内外部の洗浄を行いクリーンにします。ウォーターホースとエミッションホースを全て新品パーツへ交換。ホース継手部分の錆を除去することが重要です。サーモスタットを交換。サーモスタットケースガスケットは方向性がるため組み付けでは注意が必要です。サーモスタットジグル弁も同じく組み付け位置があります。基礎的な整備が行われていないとエンジンコンディションは維持できないのです。ジムニーだから間違っていても良いことは無いのです。

 組み上がったインテークマニホールドをエンジンへ組み付け。ラジエータホースを新品パーツへ交換。冷却水は、洗浄水にて注入排出を繰り返し残留冷却水を除去したのち、KEMITEC PG55/HQ/IMPSイエロー別注色をセッティング。エンジンを始動を行い、冷却水エアー抜きを行う工程です。始動後、アイドリング調整点検。アイドリングがややラフアイドルのため、ISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)系統のVSVソレノイドバルブを新品パーツへ交換。VSVソレノイドバルブは、インテークマニホールド内の内部にあるダイアフラム(ゴム製)を電磁ソレノイドで開閉させます。高温時や高地で空気密度低下時にアイドリングが低下するため、VSV制御でアイドリングを安定化させるのです。スロットルボディーとインマニサージタンクの空気をバイパス調整させる仕組みですが、インテークマニホールド内の空気がブローバイガスや未燃焼ガスなどで汚れていると、VSV内部のダイアフラムバルブゴムが侵され、破れてしまうのです。また、スロットルボディーのエアバルブはサーモワックス式バイパスで冷機時暖機時のアイドリンリングを制御しています。スロットルボディー・エアーバルブはEGR通路にさらされるため定期的な点検が大切です。

旧式の制御の多くはアナログメカで行っています。時代に問わず基本的なメンテナンスがとても大切です。