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JB23W-6型 リヤ・デファレンシャルギヤ組み込みとIMPSアルティメイト・リヤLSDオーバーホール

4x4IMPSオリジナルのIMPSアルティメイト・リヤLSDのメンテナンスとして、オーバーホールの依頼を受け付け作業となりました。
IMPSアルティメイト・リヤLSDタイプ2が装着されていました。IMPSアルティメイト・リヤLSDは内圧式クラッチ多板タイプです。IMPSアルティメイトLSDオリジナル・クラッチディスク・リペアキットをご用意しています。使用によるクラッチディスクの消耗が進み、イニシャルトルクの低下やチャタリング過大などをリペアキットで点検交換することで安定したLSD効果を維持できます。

同時に、新品デフキャリアとリングギヤ&ピニオンギヤセットを部品持ち込み依頼にて組み付け依頼を受け付けました。LSDはスズキ純正ヘリカルLSDを採用。こちらを車両でセッティングとなりました。スズキ特殊工具を用いて、組み付けを行います。治具はピニオンギヤのマウンティングディスタンスを測定するツールで、測定後、調整シムの選択を行えるのです。特殊ツールがない場合、調整シムの選択は新品部品組み付けの場合行えません。専用治具だけが用意されていても組み付けノウハウを用いて組み付けます。専用治具が無い場合、すでに装着使用中のデフでは、組み込まれているシムを目安に選択出来ますが、数回に渡り組み込みとなるため、組み付け精度、作業代金、部品代金も見積もりが不鮮明になるのです。

ダミーシャフトにダイアルゲージをセッティングして測定。0.01mm単位のダイアルゲージは定盤の上で0点調整を必ず行います。セットしたピニオンギヤダミーとデフキャリアの位置を測定し、調整シムを選択。調整シムは数十種類から選択します。ダミーピニオンシャフトのプレロード設定がとても重要です。

測定値と全く同じ厚みのシムは選べないので、これまでの作業ノウハウから、近い厚みの調整シムを選択するのです。オレンジ色の光明たんを塗布。光明たんもムラなく薄く塗布しなけば歯当たりが見えません。ドライブ側(車が前進する方向のギヤ歯面)、歯面の中央に当たりを出し、良好です。

コースト側(エンジンブレーキやリバース時のギヤ歯面)も中央とし、良好な歯当たりを出しました。治具にて組み付けを行い、新品部品組み付けもあり、1回の作業で歯当たりを出せました。
コンパニオンフランジはベアリング馴染み分を考慮して2.8~3.0Nmとしました。ジムニーの使用状況にもよりますが、積載物が重めの場合、積載量の荷重はデフに掛かってきます。特にピニオンギヤには大きな負荷になります。また、大径タイヤのセッティングでは、リングギヤとピニオンギヤの歯当たりが良好でなければ、ギヤ破損の可能性が高くなります。歯当たりはとても重要かつ、繊細な作業となります。試走では、とてもスムーズな回転を確認。タイヤへ動力がロス少なく伝達されている手応えを感じます。また、LSDを正常に機能させ続けるためにも、ピニオンギヤのベアリング交換と適正な分解組み付けがとても大切です。