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JA11 F6Aエンジンメンテナンス & ターボチャージャーオーバーホール

 JA11V 1992年式 F6Aエンジン不調のためメンテナンスを行いました。29年経過のF6Aは定期的にメンテナンスをしてきた様子がありましたが、エンジンオイル消費過大、冷却水消費過大、パワーダウンなどの症状が発生。
冷却水系統へエンジンオイルが混入しています。冷却水が白濁状態。このまま走行を続ければ、エンジン焼き付きやタービンブローになります。
冷却水系統へエンジンオイル混入する要因は様々あります。オーバーヒートなどにより、シリンダーヘッドが歪んでいる可能性が高いです。シリンダーヘッドとエンジンブロックの間のヘッドガスケットの異常も推測されます。

ラジエータホースを取り外し、ラジエータオーバーホールとなります。
冷却水系統へエンジンオイル混入したため、ウォーターホース類はすべてオイルによりダメージがあるため全て新品パーツへ交換です。

ウォーターホース、ヒーターホース、ヒーターコア洗浄、エミッションホースとすべて純正新品パーツへ交換していきます。
抜き取った冷却水は大量のエンジンオイルが入り白濁。

F6Aの状態悪化のため、リフレッシュ。ヘッドインテークマニホールドサイドは冷却水通路が広くとられている構造です。

リフレッシュされたヘッドエキゾーストサイドは排気ポートの面研を行っており、エキゾーストマニホールドガスケットの密着性がリフレッシュ。シリンダーヘッド、ブロックもすべて点検され、高精度に面研され完全リフレッシュ。

エンジン始動暖機後に大量の白煙とタービン異音を確認。
ターボチャージャーを点検。タービンブレードシャフトの異常があります。
ターボエキゾースト排気側を点検。エンジンオイルがターボから排気系統へ漏れています。
補機類の点検やコンディション維持はエンジン本機に影響を及ぼすため、重要なメンテナンスメニューです。
エキゾーストマニホールドを点検。マニホールドロアーカバーの背面側に排気ガスの痕跡が見受けられます。マニホールドのクラック(ひび割れ)が考えられます。

新品純正エキゾーストマニホールドへ交換。鋳鉄製。そして下部に配置されるエンジンマウント左側が破断しています。左右エンジンマウント交換。エンジンマウントはゴムブッシュが振動を減衰するため重要な機能があります。

エンジンマウントゴムブッシュ破断があったためもあり、振動が第1マフラーへ入っていた様子。クラックやブラケット消失、穴が開いて排気ガスが漏れていました。ここは溶接にて修理としました。シルバー耐熱スプレーをペイントして修理。


各部を適正に組み付けていきます。
ホースやパイプも完全リフレッシュ。
冷却水はKEMITEC PG55 HQ IMPS別注特別色をセッティング。安定した冷却性能や防錆性能を持った冷却剤をセッティングすることが大切です。
オーバーホールされたラジエータを組み付け。冷却水系統オイル混入はラジエータの交換または洗浄が必須です。
冷却水によりパイプの腐食が進行を続けていたため、新品パーツへ交換。組み付け後試走にて漏れを点検確認。

サーモスタットケースボルトなども新品ボルトへ交換。ここも冷却水によりボルトが腐食しやすいのです。組み付けでは高品質のスレッドコンパウンドを塗布して組んでいきます。

下回りへ回るウォーターパイプとホースを新品パーツへ交換。

F6A完全リフレッシュが完了。オイルはMOTUL300Vクロノのセッティング。慣らし走行後エンジンオイルを交換することで金属馴染みが向上していきます。
試走では29年前のエンジンコンディションに近く復活させました。快調に乗っていけるJA11はとても楽しいのです。