JB23W-6型 162300km走行のマニュアル・トランスミッションからメカニカルノイズが大きくなっており、オーバーホウルを提案。予算があるのでメインシャフトの交換も提案。
カウンターシャフトを点検。大きな異常は無し。
トランスミッションケースの外観から以前にリビルドされた様子がありました。
メカニカルノイズの要因はメインシャフト3~5速ギヤ内径ローラーベアリング当たり面とカウンターシャフト1~2速ギヤ内径ローラーベアリング当たり面に傷が発生したためと、ボールベアリングの摩耗が考えられます。シンクロナイザーリング・キー溝の摩耗もハブ・キーと当たり音が大きくなると考えます。シンクロナイザリング摩耗によりシフトも違和感がある手応えとなっています。シフトフォーク・ブッシュの摩耗は注意しなければならない部分。
メインシャフトの分割部分がリダクションギヤを持つアウトプットシャフトとなっているので、嵌合部のローラーベアリングの摩耗が早いと推測。
シフトフォークブッシュを点検。対策品前のシフトフォークが組まれていました。シフトフォークブッシュが摩耗損傷する可能性が高く、ハブスリーブが送れない状態になりシフト不可となります。シフトレバーからの違和感が手応えとして感じ取れ、未然にシフト不可能状態を回避できました。
交換されたパーツ。

トランスミッションを実車へ搭載。No'1プロペラシャフト嵌合部オイルシールからオイル漏れがありフロア下を清掃。(フレーム周りは防錆塗装されています)
メインシャフトとメインシャフトアウトプットシャフトを新品部品へ交換組み付け。
カウンターシャフトに1~2速ギヤユニットが組まれるので、カウンターシャフトのローラーベアリング当たり面を研磨。シフトフォーク対策品新品部品へ交換組み付け。輪切り構造のケースはユニット全体をカセット式に組めるので分組みがしやすいのです。カウンターシャフトの位置点検測定を行い、調整後ケース組み付け。
No'1プロペラシャフトを新品部品へ交換。非分解式のためアッセンブリー交換となります。トランスミッションのリアケースのメタルブッシュと接触したため傷が発生。オイル漏れの大きな要因となります。メインシャフトとメインアウトプットシャフトが振れるためと、リアケースとプロペラシャフトヨークのクリアランスが少ないことも要因として考えられます。プロペラシャフトCVジョイントが経年劣化したためスムーズに回転していなかったのも考えられます。
すべて適正に組み付け、テスト走行を行いシフト操作をスムーズに蘇りました。マニュアルトランスミッションは定期的にベアリングやシンクロナイザイリングをメンテナンス交換していくことをお勧めします。