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エアーダウンは世界共通オフロード機能

さあ四駆にシフトして走りましょう!

四駆にシフトするとは4x4に変速して
走行する意味だけではない、、、


オフローダーでは
「エアダウン」が常識。

タイヤの空気が漏れ出さないように塞いでくれてるのは、バルブコアの小さなエアバルブだってことを忘れちゃいけない。エアバルブは円錐のクサビみたいになっていて、小さなリテンションスプリングと内部の空気圧によって気密を保つ構造。リテンションスプリングは金属バネなので、使ってると少しずつへたってくる。またエアバルブは空気の通り道なので、小さなゴミが引っかかりやすい。(そのせいで、シール部分に傷がついたりもする)そうなるといわゆる「虫が悪い」状態になって、ゆっくりと空気漏れを起こしたりするわけだ。もちろんエアバルブ(バルブコア)=ムシを交換すれば直る。だからオフローダーはスペアを常備しておくべきなのだ。

オフロードホイールメンテはなぜ?
タイヤの定期メンテナンスを怠ると、エアバルブからの空気漏れを起こしやすいっていう傾向がある。これはエアダウンして泥のステージを攻めたりした時、僅かながらビード周りを経由して僅かながら泥水が侵入したりするから。泥水は乾燥すると細かなホコリ状の粒子をタイヤ内部に残す。これが次回のエアダウン時にエアバルブに噛んでしまうことがある。乾いてしまえば非常に細かな粒子なので大抵はエアバルブの気密性を損なうことはないのだけれど、タイヤ内部が侵入した泥水などのせいで湿ってると、空気の流れと一緒に異物をエアバルブに運んでしまう場合がある。こういう状態を放置していると、エアバルブの気密はだんだん低下するし、場合によっては急な空気圧低下を起こすこともある。

冗長性(redundancy)というお話
長ったらしい話を「冗長な話」と言いますが、ここではひとつの機能が損なわれた場合に他の機能によってそれがバックアップされる、という意味の冗長性の話です。
ブラスのエアバルブキャップですが、あれこそ「空気圧を保持するという機能における冗長性」なのです。
タイヤの空気圧はバルブコアに備わるちいさなエアバルブで保たれている。これがかなり華奢なパーツなので、注意深く扱わないとエア漏れトラブルに繋がるわけです。

そういう場合にエア漏れリスクを低減してくれるのが「良いエアバルブキャップ」なのです。

①エアバルブの金属部と同じブラス(真鍮)製であること。
同じ素材であることはネジとしての信頼性が最も高いのです。
②オーバーサイズのエアパッキンを備えていること
③必要に応じて工具で緩めることもできる構造であること。
などの機能を備えているものが良い製品です。
良いエアバルブキャップは、バルブコアが少々シール不良状態になっても、キャップでエア漏れを防ぐ機能があります。
オーバーサイズパッキンと締まりの良いネジ設計のおかげで、緊急時には「僅かにオーバートルクで」キャップを締めてやれば、バルブコア無しでも一時的に空気圧を保つことができます。


オフローダー御用達!オススメなワケとは
なぜこれがオフローダーにオススメかというと、エアダウンに関係があるからです。エアダウン時にはタイヤ内部の空気がエアバルブを介して外に放出されます。この時、稀にですがタイヤ内部のホコリなどがエアバルブに噛んでしまうことがあります。すると、走行中に必要以上に空気圧が下がってしまったりするのです。もうお判りですね。良いエアバルブキャプはこういうトラブルを未然に防いでくれるわけです。
ちょっとした小さいリカバリーツールだけど



①ツールの先細ネジ部分
これはバルブエキストラクターといいます。
効能は写真に書いたとおりでして、バルブコアの軸が折れて先端部が内部に残ってしまったときに「抜く」ための道具です。

②バルブインナー側用のタップ

文字どおりタップとして使いますが、オフロードでは、チューブレスバルブ(ラッキョウ)をホイールに組み込むときに、専用のバルブ保持ツール代わりに使うことが多いです。ねじ込んで置いてバイスなどで引っ張るわけです。
またチューブを使ってる人だと、チューブを組むときに「バルブ先端が穴から抜けてしまわないように一時的に保持しておく補助ツール」として便利です。

コンプレッサーのエアダウンは何の機能のため?

皆さんがお使いのコンプレッサーにはエアゲージやエアダウン用のデフレーターが装備されていたりしますよね。多分便利に使ってることでしょう。
実は長期間に渡る未開地でのオフロード遠征では、始業点検でエアチェックするとき、必ずコンプレッサーを繋いで行います。
それはバルブコアを良い状態に保っておくための用心なのです。

手順はこうです。
①バルブキャップを外す前には周りをクリーンアップする
②バルブキャップを外したら、エアでバルブコア周りを一吹きして目に見えない小さなホコリを排除する
③コンプレッサーのエアホースをバルブに接続し、数秒間エアを入れる。これは内部のエアバルブにエアを流して、ホコリなどを排除するためです。
④その後エアゲージで正規の空気圧チェックをする

未開地では補修部品が入手しにくいため、エアバルブの状態にいつも気を配ってることが大切なんです。
皆さんのコンプレッサーに備わるエアダウン機能、ほんとはこういう使われ方を想定したものなんです。




オフロードトレーニングキャンプでは、、、
エアダウン機能を生かした走行や道具を活用したトレーニングをします。講師からお寄せ頂いた記事は次回オフロードトレーニングキャンプ(OTC)のご参加の際には目を通しておけば現物を前にさらなる「体得」に結びつくはずです。さあ!やるっきゃないゾ! 4x4IMPS 関根優太

寄稿:オフロード・トレーニング・キャンプ講師/竹平 誠
プロフィール
自分の写真
古き良き時代に4輪駆動車専門誌を創ってました。現在は技術コンサルタント、モータージャーナリスト、オフロードスクール講師などやってます。


編集:VC4編集部