JB74W-3型の新車を入手されたオーナーさんより、サスペンション・セッティングの御依頼があり早速セッティングとなりました。まずはタイヤの選択から。ノーマルホイール径15インチを踏襲。クラシカルなデザインのアルミニウム合金鋳造ホイール。タイヤはヨコハマタイヤ・ジオランダーX-AT。15インチタイヤを踏襲することでギヤレシオに大きく影響することなく動力が伝達されます。ジオランダーX-ATのタイヤキャラクターが一般アスファルトからやや荒れたラフロードに使い勝手がとても良い印象があります。アスファルト路面ではタイヤへ横力がかかった時の反応も的確で、ドライバーが横力をコントロールしていくとタイヤビード部からタイヤサイドウォールへかけてのタイヤの変形に剛性を感じることができるので、コントロールしやすいとおもいます。MTタイヤのプアーなタイヤ変形では無いので快適なのです。 サスペンションセッティングは、モトレージ・TERRA HOTコイルスプリング20mmアップとビルシュタインダンパー・モトレージスペシャルを軸にセッティング。ダンパーとコイルスプリングの寸法はとても密接な関係性があります。バネ寸法による車高の設定は、車体1G荷重取り付け状態のダンパーピストン位置がとても重要なのです。高い減衰力とバネレートが絶妙に合っています。不安なロール量、ピッチングはダンパーが細かく減衰。速い荷重移動にはコイルスプリングの素早い反応がとてもコントロールしやすいのです。IMPSフロントサスペンションコントロールアーム、強化ラテラルロッド・ゴムブッシュタイプをセッティング。 リヤサスペンションは、ラテラルロッド角度補正ブラケット・タニグチ製をアクスル(車軸)のラテラルロッドへ取り付け、ラテラルロッド傾斜角を1G状態で水平にすることでラテラルロッドへ加わる力の方向を適正化します。リヤタイヤグリップの安定化が図られます。 ジムニーシエラでもタイヤ&ホイールのインチアップをセッティングすることが多いのですが、ノーマル径同等でサスペンション性能を引き上げ、サスペンションブッシュのバインディングチューニングを行い、とても自然な次元の違いが感じられ非常にバランスの良いジムニーシエラとなっていきます。外観もノーマル然がとても紳士的で格好良いのです。これからの走行使用が楽しみですね。
JB23W-10型にてユーズドジムニーに装着されていたサスペンションパーツの再セッティングの依頼を受け、IMPSゼロラインN1サスペンションキットのセッティングを提案しました。オーナーさんのサスペンションに対する不安点が購入後の中古車ジムニーにあると感じた様子で、不安な部分を書き起こしリストアップされておりました。これから乗る愛機に対して素晴らしいことだと思います。その不安はサスペンションセッティングの直線安定性や操縦安定性にとても不安がある内容で、現車のセッティングを点検したところ、この不安な部分は我々も同様の考えでした。一般アスファルト路面、オフロード走行に必要以上の車高アップがされていたと考えています。必要以上な車高アップの外観が好まれること、性能をスポイルしても好みのスタイルは人それぞれあるので、すべてがNGだという考えはないですが、我々は、走行の楽しみ、性能アップの楽しみ、長所をさらに良く、短所を少なく対策していくことがチューニングが面白い楽しいことだとおもっています。 フロント・サスペンションアームのブッシュに硬質樹脂ブッシュが装着されていました。これもサスペンション性能を阻害する要因と考えています。車高アップに伴い、車両1G水平状態のキャスター角の変化が起きます。キャスター角の変更をブッシュの取り付けボルト軸の位置をブッシュで変更してキャスター角をノーマル状態にさせようとしたいパーツなのでしょう。多くのジムニーに見受けられる間違ったセッティングです。サスペンションアームのブッシュにはバインディングという、サスペンションがストロークしてアクスルが捻れる動きのブッシュゴムの抵抗力がセッティングされています。硬質樹脂ブッシュは変形量が極端に少なくなり、変更したブッシュの一部分に捻じれようとする抵抗力が増加する(アクスルが捩れにくくなる)と考えています。3リンク式サスペンションのジムニーJA12/JA22W/JB23W/JB64W/JB74Wはサスペンションのバインディングセッティングが操縦安定性に大きく関係しています。また、取り付けボルト軸位置の変更で求めるキャスター角は四輪アライメント高精度測定を行い、キャスター角度を確認する必要があります。以前、我々もいくつかの偏心ブッシュを装着されたJB23Wを四輪アライメントテスター上で確認したところ、現車に対する車